全国任意売却支援相談室、千里コンサルティングオフィスです。
「借金の返済が苦しい」「住宅ローンの支払いが滞りそう」このような悩みを抱える方にとって、「任意整理」と「任意売却」という言葉は、一度は耳にしたことがあるかもしれません。
しかし、それぞれがどのような手続きで、どんな違いがあるのかを正しく理解している方は意外と少ないものです。
本記事では、任意整理と任意売却の基本的な違いから、両者を併用するメリット、注意すべきポイントまでをわかりやすく解説します。
借金問題を根本から見直し、安心して再スタートを切るための第一歩として、ぜひ参考にしてください。
任意整理と任意売却の違いとは?
「任意整理」と「任意売却」は、どちらも借金やローンの返済が難しくなったときの対処方法として知られていますが、その目的や手続き、関係する債権者などが大きく異なります。
違いを正しく理解することは、今後の生活再建において非常に重要です。
まず、「任意整理」とは、主にクレジットカードや消費者金融などの無担保の借金に対して、弁護士や司法書士を通じて債権者と交渉し、将来の利息カットや分割返済などの条件変更を行う債務整理の一種です。
裁判所を介さずに行えるため、比較的手続きが簡単で、自己破産や個人再生に比べて社会的影響が少ないのが特徴です。
一方、「任意売却」は、住宅ローンなどの担保付き債務に対する対応策です。
ローンの支払いが困難になり、滞納が続いた場合、通常であれば債権者(多くは金融機関)が担保不動産を競売にかけます。
しかし競売では市場価格より安く売却される可能性が高く、結果として多くの借金が残ってしまう恐れがあるのです。
これを防ぐため、所有者自身が不動産会社などを通じて、通常の売却に近い形で物件を売るのが「任意売却」です。
つまり、任意整理は「借金の返済条件を見直す手続き」、任意売却は「自宅を売却して住宅ローンの整理をする手続き」という違いがあります。
両者は併用することも可能であり、借金と住宅ローンの両方に問題を抱えている方にとっては、それぞれを適切に組み合わせることで、より柔軟で現実的な再建プランを立てることができるのです。
任意整理中でも任意売却はできる?
結論から申し上げると、任意整理中でも任意売却は可能です。
任意整理と任意売却は、それぞれ異なる種類の債務に対する対応策であるため、同時に進行させることも十分に考えられます。
ただし、進め方には注意が必要です。
任意整理は主に無担保の借金、たとえばカードローンや消費者金融、キャッシングなどが対象。
これに対し、住宅ローンは担保付きの債務であり、任意整理の対象には含まれません。
つまり、任意整理で整理できる借金と、住宅ローンの整理は分けて考える必要があります。
住宅ローンの返済が難しくなった場合、滞納が続けば金融機関は競売の手続きを進めてきます。
競売になると、売却価格は市場価格よりも大幅に低くなる傾向があり、結果的に多額の残債が残るリスクがあります。
これを回避する方法が任意売却です。
任意売却を行うことで、より高い金額で物件を売却できる可能性が高くなり、残債の軽減につながります。
任意整理中に任意売却を行うことで、家計の再建をよりスムーズに進めることが可能になるでしょう。
たとえば、任意整理によって消費者金融への返済を減らし、任意売却によって住宅ローンを整理することで、全体の債務負担を大きく軽減できます。
ただし、任意売却には債権者(住宅ローンの貸し手)の同意が必要です。
また、任意整理と同時に進行する場合は、どちらの手続きにも詳しい専門家(弁護士や不動産会社)との連携が重要になります。
任意整理と任意売却の両方をする必要性やメリットとは?
住宅ローンの返済が困難な状況に陥ったとき、他にもカードローンや消費者金融などの借金を抱えている方は少なくありません。
このようなケースでは、「任意整理」と「任意売却」を併用することによって、より効果的に債務問題を解決できる可能性があります。
まず、任意整理とは、弁護士や司法書士を通じて消費者金融やカード会社と直接交渉を行い、利息のカットや返済期間の見直しを行うことで、毎月の返済負担を軽減する手続きです。
一方、任意売却は、住宅ローンが支払えなくなった際に競売を避け、できる限り高く家を売却して、ローン残債を減らす方法です。
この二つを組み合わせる最大のメリットは、「債務全体を一括で整理できる」という点にあります。
住宅ローンは任意整理の対象にはなりませんが、その他の借金を任意整理で減らすことで、任意売却後に残った住宅ローンの返済にもある程度の余裕を持たせることが可能になるのです。
たとえば、住宅ローンの滞納が進んでいて、他にも借金が複数ある場合、まず家を任意売却して競売を回避し、その後に残ったローンの一部と、それ以外の借金を任意整理で再構築するといった流れが考えられます。
これにより、精神的・経済的な負担を大きく軽減でき、生活再建への道筋が明確になります。
また、任意整理や任意売却はいずれも自己破産に比べて社会的影響が少なく、家族や勤務先に知られずに進められる可能性もあります。
生活の再建に向けて「少しでも前向きな選択」をしたい方にとって、両方の手続きを併用することは非常に有効な手段といえるでしょう。
もちろん、手続きは複雑になるため、任意整理と任意売却の両方に精通した専門家への相談が不可欠。
最適なプランを立てるためにも、早めの対応と的確な判断が大切です。
任意整理をしない方が良い場合もある?
任意整理は、多重債務からの脱出を図るための有効な手段の一つですが、すべてのケースでベストな選択肢とは限りません。
状況によっては、任意整理をしない方が良い、または他の方法を検討した方が良い場合もあります。
まず、任意整理を行うと、信用情報機関に事故情報として登録され、いわゆる「ブラックリスト」状態になります。
これにより、5年間は新たな借り入れやクレジットカードの作成が難しくなります。
もし今後、住宅ローンや車のローンを組む予定がある方にとっては、慎重な判断が必要でしょう。
また、任意整理は将来の利息をカットし、元本のみを分割で返済していく手続きですが、元本が減るわけではありません。
そのため、収入に対して借金総額が大きすぎる場合や、長期にわたる安定した返済が見込めない場合には、かえって返済計画が破綻する恐れがあります。
こうしたケースでは、個人再生や自己破産といった他の債務整理手続きの方が現実的です。
一方で、一時的な収入の減少や突発的な支出によって一時的に返済が困難になった場合には、無理に任意整理を選ばず、金融機関とのリスケジュール(返済条件の変更)を交渉することで、状況を打開できることもあります。
また、借入件数が少なく、借金額も比較的小さい場合は、自力での返済努力が十分に可能である場合も。
任意整理は、あくまで「選択肢の一つ」であり、借金問題のすべてを解決する魔法のような手段ではありません。
だからこそ、自身の収支状況、将来の見通し、家族構成やライフプランまでを含めて、総合的に判断することが大切です。
自分にとって最善の方法を見つけるためにも、早めに専門家に相談し、客観的なアドバイスを受けることをおすすめします。
任意整理をする・しないを決める前に、複数の選択肢を比較検討することが、将来後悔しないための第一歩です。
まとめ
任意整理と任意売却は、借金や住宅ローンの問題に直面した際の有効な解決手段ですが、それぞれ対象や目的が異なります。
任意整理は無担保の借金の返済条件を見直す手続き、任意売却は住宅ローンを整理するための不動産売却方法です。
両者を併用することで、より柔軟に債務を整理し、生活再建を目指すことが可能に。
ただし、すべての人にとって最善とは限らないため、自分の状況に合った選択が重要です。
早めに専門家へ相談し、最適な方法を見つけましょう。
当社、全国任意売却支援相談室(千里コンサルティングオフィス)は、任意売却のプロであると同時に、住宅ローンをはじめとした返済に関することの専門家でもあります。
住宅ローンをはじめ、借金や返済に困ったら、お気軽にご相談ください。
任意売却だけでなく、様々な選択肢を提示した上で最適な方法を探り、離婚後やローン返済後の新生活も安心してスタートできるよう、徹底的にお手伝いいたします。
任意売却や住宅ローンについてもっと知りたい方、ご興味を持っていただけた方は、ぜひ当社公式YouTubeチャンネルもご覧くださいませ。
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