全国任意売却支援相談室、千里コンサルティングオフィスです。

最近、「リースバックはやめとけ」という言葉をネットで目にする機会が増えています。
リースバックは、自宅を売却した後もそのまま住み続けられる便利な仕組みですが、すべての人に向いているわけではありません。

条件や目的を誤ると、「思ったより家賃が高い」「買い戻せなかった」など、後悔するケースも少なくないのです。
一方で、うまく活用すれば、今の環境を維持したまま生活再建できる可能性も。
この記事では、「やめとくべきケース」と「検討すべきケース」をわかりやすく解説します。

そもそもリースバックとは？

リースバックとは、一度マイホームを不動産会社などに売却し、その後に買主（業者）と賃貸契約を結んで、同じ家にそのまま住み続けられる仕組みのことです。
「売却しても引っ越ししなくていい」という点が大きな特徴で、まとまった現金を得ながら、住み慣れた家にそのまま暮らせるメリットがあります。

特に、住宅ローンの返済が厳しくなった人や、老後の生活資金を確保したい人に注目されている方法です。

リースバックでは、家を「売る」と同時に「借りる」ため、契約は不動産の売買契約と賃貸契約の2つがセットになります。
売却価格は市場価格より低めに設定されることが多く、代わりに「退去せず住み続けられる」という利便性が得られるのです。
また、買主は個人ではなく、主に不動産会社や投資会社であるため、手続きがスムーズに進むケースが多いのも特徴。

ただし、リースバックは誰にでも向いているわけではありません。
「売却額が想定より低かった」「家賃が高くて生活が苦しくなった」「再購入の際に金額が上がってしまった」といったトラブルも少なくないのです。
インターネット上でも「リースバックはやめとけ」といった意見を見かけますが、これは制度そのものが悪いわけではなく、「仕組みを正しく理解せず契約した」ことが原因であるケースがほとんど。

リースバックは、状況によって「うまく活用すれば非常に便利な制度」でもあり、「条件次第では避けた方が良い制度」でもあります。
まずは、メリットとデメリット、そして自分の目的を明確にすることが、後悔しない第一歩です。

リースバックの注意点、こんな場合は「やめとけ」！

リースバックは魅力的に見えますが、実際には注意すべき落とし穴も少なくありません。
特に次のような状況に当てはまる場合は、リースバックはやめておいたほうが良いケースが多いです。

まず注意したいのは、家賃が高くなりやすい点。
リースバック後に支払う家賃は、相場や不動産会社の設定次第で決まりますが、想定より高額になることがよくあります。
たとえば、これまで住宅ローンの月々返済が8万円だった人が、リースバック後に10万円の家賃を支払うことになるケースも。
これでは生活がさらに苦しくなってしまい、本末転倒です。

次に注意すべきは、売却価格が相場より低くなること。
リースバックでは、買主（業者）が家をそのまま貸すリスクを負うため、一般的な不動産売却よりも価格が下がります。
そのため、「急いで現金化したい」という理由だけで契約すると、資産価値を大きく損ねてしまう可能性があります。

また、「いずれ買い戻せる」と思い込むのも危険です。
再購入の権利が契約に明記されていない場合、将来的に他人の手に渡ることもあります。
さらに、買い戻す際の価格は購入時より高くなるケースが多く、結果的に家を取り戻せなくなるリスクも。

加えて、リースバックの契約期間は2年更新が一般的で、長期的に住み続けられる保証はない点にも注意が必要です。
「終の棲家にしたい」「一生この家にいたい」という希望が強い人には、向かない制度といえるでしょう。

このように、リースバックは安易に選ぶと後悔する可能性があります。
「家賃」「契約期間」「再購入条件」などを慎重に確認し、少しでも不安がある場合はやめておく勇気も大切です。

このような場合はリースバック検討の余地あり！

一方で、リースバックはうまく活用すれば生活を安定させる有効な手段にもなり得ます。
特に次のようなケースでは、リースバックを前向きに検討する価値があるでしょう。

まず、住宅ローンの返済が厳しいが、家を手放したくないという人。
ローン返済の遅れが続くと、最悪の場合は競売にかけられてしまいます。
しかし、リースバックを利用し、売却によってローンを完済することができれば、競売を避けながら住み続けることが可能です。
引っ越しの負担を避けつつ、生活再建の時間を確保できるのは大きなメリット。

ただし、売却してもローン残債が残る場合は、ローンの返済に加えて家賃も発生することになるので注意が必要です。

次に、老後資金の確保を考えている高齢者も検討の余地があります。
年金だけでは生活が苦しい場合、リースバックで家を売却し、その資金を老後の生活費や医療費に充てることができるといったイメージです。
賃貸契約を結ぶことで引っ越しの必要がないため、地域のつながりや生活環境を維持できる点が魅力。

また、相続対策としてリースバックを活用するケースもあります。
不動産を現金化することで、相続分配をスムーズに進められるほか、家族間のトラブルを防ぐことも可能です。

さらに、短期的に資金が必要な場合にも有効です。
たとえば事業資金の確保や、急な医療費、教育費などの支払いが必要なとき、リースバックで素早く資金を作りつつ、住居を変えずに済ませられます。

このように、リースバックは「環境を変えずに資金を得たい」というニーズに合致する場合、非常に心強い選択肢の一つです。
ただし、リースバックの場合、多くは買取価格が相場より安くなる上に、家賃は高くなりがち。

それが原因で生活が苦しくなっては意味がありませんから、慎重な検討が不可欠です。

迷ったら専門家にご相談を！

リースバックは、状況によって「やめておくべき場合」と「有効に活用できる場合」が大きく分かれます。
制度の仕組みを理解しないまま契約してしまうと、後から「こんなはずじゃなかった」と後悔するリスクもあるのです。
だからこそ、迷ったときは自分で判断せず、不動産の専門家に相談することが何より重要です。

特に、住宅ローンの返済が厳しい場合や、すでに延滞が始まっている場合は、「任意売却」という選択肢もあります。
任意売却は、金融機関と調整しながら家を売却し、競売よりも有利な条件で債務整理を進められる方法です。
リースバックを含めた総合的な視点で比較すれば、より自分に合った解決策が見えてきます。

また、リースバックを検討する際は、契約条件の確認が欠かせません。
「家賃はいくらか」「再購入できるのか」「契約期間はどのくらいか」など、細かい部分を専門家と一緒にチェックしましょう。
不動産会社によって条件が異なるため、複数の見積もりを比較することもおすすめです。

「リースバックはやめとけ」と言われるのは、誤解や情報不足から不利な契約をしてしまった人が多いからです。
しかし、正しい知識と専門家のサポートがあれば、リースバックは生活再建や資金確保の有効な手段にもなり得ます。

自分の状況に合った最善の選択をするためにも、まずは信頼できる専門家に相談し、後悔のない決断をしましょう。

まとめ

リースバックは「家を売っても住み続けられる」便利な制度ですが、条件を誤ると家賃負担や将来の買い戻しリスクなど、後悔につながるケースもあります。

「リースバックはやめとけ」と言われるのは、仕組みを十分に理解せず契約してしまう人が多いからです。
一方で、住居を変えずにまとまった資金が必要な人や、老後資金を確保したい人には有効な選択肢にもなり得ます。

大切なのは、複数の業者を比較し、専門家に相談した上で、自分の生活設計に合った方法を選ぶことです。

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